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新着情報

「男性が介護」支援の集い

 男性介護者が集い、情報交換などをできる場が、多摩地区で出始めている。両親や妻らを介護する男性は、働き盛りや退職後の年代が多く、仕事との両立の難しさ、孤立化といった問題を抱える。集いはそんな悩みを共有する場になっている。

■「気が楽に」
 立川市内の自営業の男性(54)は、認知症の父親が昨年12月、他界するまでの約4年間、自宅で介護を続けた。父親は入浴の介助や下の世話が必要で、家の至る所で便をしたり、遠くまで徘徊(はいかい)したり。男性はデイサービスやヘルパー派遣などの介護サービスを利用しながら、自らも介護に当たった。「父の状況が悪くなれば、仕事にまで支障を来しかねないと考えると、不安だった」と振り返る。
 男性が悩みを吐き出すために参加したのが、同市の幸学習館で偶数月の第1土曜に開かれる「男性介護者の集い」だ。市北部東わかば地域包括支援センターが主催。社会福祉士らも参加し、市内外から集まる40~80歳代の介護者たちの話を聞く。この男性は「集いでは毎回、同じような不安や悩みを口にしていた。それでも聞いてもらえた。気が楽になった」と話す。

■増加傾向
 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、介護者に占める男性の割合は2001年の24%から、10年には31%へと増加している。評論家でNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長の樋口恵子さんは「今や、男性介護者は少数派ではない。東京のような都市部だと、多忙を極める要職に就いた男性も多く、介護で離職に追い込まれるケースもある」と指摘する。
 こうした男性介護者を支援しようと、各地で集いの会が生まれている。国分寺市の地域包括支援センターひよしも、偶数月の第2土曜に、情報交換会を開き、毎回10人前後が参加。多摩市の医療法人財団「天翁会」は年に2、3回開き、公的サービスの賢い使い方など、介護の知識を学ぶ機会も設けている。担当者は「日常の介護ですぐに使える知識で、悩みを抱えた男性にも喜ばれる」と話す。

■環境作り必要
 ただ、集いのことを知っていても、いざ参加するとなると、二の足を踏むケースも多そうだ。立川市の社会福祉士の一人は「社会で活躍してきた男性はプライドが高く、私生活の悩みについて吐露することにちゅうちょする。参加するまで長い間、悩んでいたという人もいる」と話す。
 樋口さんは「昇進などに影響するという不安から、介護していること自体をオープンにしにくい雰囲気がある。職場でも地域でも男性による介護が当たり前に受け入れられる環境作りが必要」と訴える。

読売新聞 2014年2月22日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=93400

2014/02/23 業界ニュース   enraku