「お泊りデイサービス」について(埼玉県議会平成26年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (星野光弘議員))
2014年3月14日
Q 星野光弘議員(自民)
過日、代表質問で、「お泊まりデイサービス」について公明党の西山代表より質問がされておりますが、どうぞ私には、より明快な御答弁をいただければ幸いでございます。
通所介護事業所いわゆるデイサービスの中に、事業所の営業時間外に、その設備の一部を使用して、通所介護事業所の利用者に対し必要な介護及び宿泊を伴うサービスを提供する宿泊付きデイサービス、いわゆるお泊まりデイサービスが行われております。特別養護老人ホームのショートステイ、短期入所の利用が難しいなどの理由から需要が伸び、民間営利企業の参入が多くなっています。
介護保険適用外の自主事業として提供されており、法定基準あるいは行政指導基準等がなく、利用者の安心・安全やプライバシーの確保等が問題となっております。広島県福山市では、認知症高齢者らが70平米、21坪、この中に17人が宿泊していた介護施設で暴行事件が発生しました。劣悪な環境下で宿泊が常態化していたとのことであります。
既に東京都、千葉県、大阪府では、お泊まりデイサービスについて独自基準を設けており、愛知県では実態調査を昨年実施、本年4月1日から独自基準の運用を目指しています。また、これまで黙認であった厚生労働省は、お泊まりデイサービスの基準策定や届出制にするなどの方針を明らかにしました。
そこで、埼玉県内のお泊まりデイサービスの実態はどうか。また、新たな基準づくりを含めてどのように対応していくのか、福祉部長に伺います。
A 鈴木豊彦 福祉部長
「お泊まりデイサービス」は、通所介護事業所が介護保険サービス外の自主事業として利用者に宿泊サービスを提供するものでございます。
このサービスには何らかの理由で家庭での介護が受けられなくなった場合などに、低料金ですぐに利用できるという利便性もあります。
しかし、長期にわたって利用する方がいることや、提供するサービス内容にばらつきがあるなどの課題もございます。
県が平成23年2月に行った調査では、全体の9.2パーセントの事業所が実施しているという状況でございましたが、平成25年12月の調査では、14.2%に拡大をいたしておりました。
利用の実態といたしましては1か所当たり1日平均で約4.6人が宿泊しており、宿泊料金は平均1,835円、食費は1食平均500円となっております。
事業所の中には、男女相部屋や仕切りがないなど宿泊環境が十分でないところもありました。
県では、これまでも「お泊まりデイサービス」については、必要に応じて実地調査などを行い、適正な運営が図られるよう指導を行ってまいりました。
虐待が疑われるような場合には、高齢者虐待防止法を所管する市町村と連携して調査・指導も行っております。
これまでは特に重大な問題は確認されておりませんが、根拠が明確でないため十分な指導ができないという課題もございます。
このため、県では、設備や人員配置の基準のほか利用者ごとの宿泊サービス計画の作成を求めるなど、適正な運営を図るためのガイドラインをこの3月に策定することといたしました。
ガイドライン策定により、事業開始に当たって県への届出を求めるとともに、定期または随時での実地指導も行ってまいります。
また、利用者がこのサービスを利用する際の参考とできるよう、届出された事業所の情報を県のホームページに公開してまいります。
県といたしましては、今後も「お泊まりデイサービス」が適正に運営されるよう、このガイドラインに基づき事業所をしっかりと指導してまいります。
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/gikai-gaiyou-h2602-h072.html