新着情報
デイサービス縁楽 切通の最新の情報をお届けします。
総務省消防庁は27日までに、認知症高齢者が暮らすグループホームの火災被害を防ぐため、原則として全施設にスプリンクラー設置を義務付ける方針を固めた。同庁の有識者部会が同日、設置を義務付けるよう求める対策の骨子をまとめた。自動的に消防へ通報できるシステムも望ましいとした。
養護老人ホームなど介護が必要な高齢者向け施設にも適用する方向で、消防庁は関係法令の改正を含め、対策の具体化を急ぐ。
現状では延べ床面積275平方メートル以上の施設に設置義務がある。2月の火災で5人が死亡した長崎市のグループホームは未設置で、設置義務もなかった。
有識者部会は再発防止のため、小規模施設にも設置を促す必要があると判断した。
骨子は、スプリンクラーの面積基準を廃止し、確実に避難できる一部施設を除き、設に設置を義務化すべきだとした。
ハード面では、少人数で避難誘導や初期消火などをこなさなければならない施設の従業員の負担を減らすため、自動火災報知設備に連動した自動通報システムも挙げた。ただ誤作動による混乱の恐れもあり、義務化には課題の整理が必要とした。
消防施設や建物構造の不備を早期に改善させるため、自治体の関係部局が連携して重点的に指導することも盛り込んだ。ソフト面では、採用時などの従業員教育の必要性や、消防訓練の効果を高める工夫が重要としている。
スプリンクラーの設置は施設の規模に関係なく、国の金でつくった都道府県の基金から補助金が出る。施設側には補助の拡充を求める声があり、総務省は自治体を通じた特別交付税による支援が必要かどうか検討している。
厚生労働省によると、認知症グループホームは全国に約1万2千カ所で、17万人余りが利用している。
厚労省が長崎市の火災後に行った調査では、275平方メートル未満でスプリンクラーが未設置だったのは全国の522カ所で、うち46.9%は今後も設置を予定していないと回答していた。未設置の理由を複数回答で尋ねたところ「消防法令上の義務がないため」が89.5%、「費用負担の問題」が67.6%だった。
厚生労働省は18日の社会保障審議会介護保険部会で、通所介護(デイサービス)について、小規模事業所の介護報酬単価が高く「事業所の増加が顕著な状況にある」として、介護報酬を削減するため、介護報酬に「メリハリ」を付けて絞り込んでいく案を提示しました。
厚労省は、通所介護で提供される事業内容の「自由度が高い」と決めつけ、「重度化予防に効果のある」と判断した内容については介護報酬を高くし、「効果」の期待されないと判断したサービスについては単価報酬を下げるなど、介護費用を抑制する考えです。
また、都道府県が指定している「小規模型通所介護」(1月あたり平均利用者300人以内)について人員基準などを切り下げ、都道府県指定の「大規模・通常規模型のサテライト型事業所」と、市町村が指定する「地域密着型通所介護」、「小規模多機能型居住介護のサテライト型事業所」に再編する考えを示しました。市町村指定の事業者は市町村の地域密着型サービスの中に位置づけるとしています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-19/2013091902_03_1.html
施設内にあえて坂や段差を設置。毎日の活動内容は利用者自らが決める。昼食もバイキング方式で、自ら選び、自ら片付ける。“至れり尽くせり”の既存施設とは一線を画す異色のデイサービス施設だが、利用者は毎日90人を超えるという人気ぶり。常識破りの施設はどうして生まれたのか。デイサービスセンター「夢のみずうみ村」代表の藤原茂氏(64)に聞いた。
「夢のみずうみ村」がほかのデイサービス施設と違うのは、「自己選択・自己決定」を原則とする点です。
毎朝、施設に到着した利用者は、その日やりたいことを約100種類のメニューから選びます。内容は「陶芸」「パン焼き」「温水プール」「筋トレ」「ルーレット」「麻雀」とさまざま。「何もしない」「ゴロ寝」もあります。その日の気分に合わせて3~4種類選び、夕方まで取り組んでもらいます。
昼食はバイキング方式です。テーブルに並んだおかずを自らの手でよそいます。利用者の多くは要介護1ないし2ですが、車椅子や半身に麻痺がある人も同じようにしてもらっています。サポートするのは簡単ですが、それでは本人が持つ能力を奪ってしまいます。大切なのは自主性です。
施設自体にも特徴があります。廊下にはわざと勾配をつけ、段差や階段もあえて多くしてあります。実社会で出くわす「バリアー」に対応してもらうためです。
一般のデイ施設は、利用者みんなが決められたことをやる「集団一斉方式」のところが多く、リハビリのメニューもスタッフが考え、利用者に実践させます。
私も以前、別の病院で働いていたころはそれが当然と思い、心肺機能を高める訓練などを考案してメニューに入れていました。
でもあるとき、患者さんから言われたんです。「あなたたち専門家はああせよ、こうせよと言うけど、こちらが何をしたいか、考えたことはある?」と。深く心に突き刺さり、自分本位だったと反省しました。
発想を逆転させ、患者さんの意思を尊重しようと思ったのですが、既存の病院ではスペースや人員に余裕がなく、個々の患者に好きなことをさせるのは難しかった。それならいっそ自分で施設を造ろうと、自宅を担保に3千万円の借金をして、「夢のみずうみ村」を開設しました。
反響は予想以上でした。現在の利用者数は1日90~100人で、登録者数も400人にまで増えました。多くの方に「来るのが楽しい」「メニューが豊富で、やりたいことを伸び伸びやれるのがいい」と言って頂けるのがうれしいですね。
龍谷大学の教授が利用者の改善状況について調査に来たこともあります。2004年9月から07年3月までの間で、改善した人42%、維持47%。悪化はわずかに11%でした。特に「要介護2」の利用者の改善率は50%で、全国平均の5倍でした。
利用者が自らの意思で動くことが、より機能回復につながるということが実証されてうれしかったですね。(略)
週刊朝日 2013年9月13日号